久しぶりに故郷に帰ってきて、まず思い立ったのは、休耕田を私の畑にしてしまおうということだった。はじめはワイルドフラワーを植えて雑草だらけの畑をお花畑にしようという試みだったのが、だんだん野菜も植えてみようというふうになっていったのだ。
家の野菜の多くは祖母が苗を買って作っていて、たくさん取れるので特に野菜を作らなきゃいけないっていうのはなかったので、食べたい野菜を作ればいいという程度。なので、自家採種やこぼれ種からミニトマトを作って、たくさんとれたらミートソースにしたりして利用しようと考えていた。はじめは、自家採種をしてすぐれた種を選んでいけば、その土地にあった野菜になるなんていう記事を見つけてその気になっていたのだ。でも、そうかもしれないけれど、それを繰り返していくと病気になったりして、苦労の割りに成果が得られないという話も聞いていた。実際母方の祖母は、種をとってよく家先に乾かして種とりをしていたのだ。でも、うまく実がならないこともあったようで、種は買った方がいいと教訓のように思っていたのだ。実際自分で作ってみて、種があんまり良くないせいで実がならないとかなりがっかりするものだ。肥料を入れて、畝を作って草もとって…でも実がよくならないかもしれないと思うとかなり辛いのだ。
でも、自家採種の種で繰り返し野菜を作って、その土地の野菜を作っている人もいるらしいということがわかって、その人たちはどうしてうまくやっているのだろうと思っていた。自家採種についてしらべていると、そのうちに「固定種」というものがあることがわかったのだ。
・固定種・原種・在来種(何代にも渡って受け継がれてきた種)
・固定種をつくろう自家ダネをとろう
固定種というものを知って、そんな種がほしくなったのだ。そして、固定種はどんな野菜なのか、何処で売られているのかなどど調べていた。
いろいろ書いていくと長くなってしまうが、どうやら聖護院かぶらも固定種らしい。中には品種改良された野菜たちと対等に肩を並べている野菜たちがいる。この種は古くなった種を祖母からもらったときに袋の中に入っていたものだ。母がお正月に聖護院かぶらを使った料理をするからといって、もう数年前に家で栽培したときの種の残りだ。聖護院かぶらが固定種だとは知らなかった。たぶんこの種もそうなのだと思う。この種が固定種だと知って、こんなすごい野菜を作ってきた昔の人たちに驚かされた。
お正月のお料理用に、さっそく聖護院かぶらの種をまいた。
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