野菜作りの得意だった祖父の秘密兵器は油粕です。水に浸して発酵させて、それを土に混ぜるそうです。祖父は土作りにこだわりがあって、とれた野菜はとてもとても大きくて、とてもとてもおいしい野菜でした。祖父がいなくなった今は、私が代わりにおいしい野菜を作ろうと思います。
畑の土がやせているので、なかなか思うようにおいしい野菜にはなりません。努力が必要だそうです。水に浸した油粕も、口で言うのは簡単ですが、実際にやってみるとなかなか大変なものです。水に浸さないものを混ぜたりもしましたが、水に浸して発酵させたものの方が野菜が良く育ちます。発酵させるまえの油粕は、粉ぬかのように茶色をしています。その袋ごと外に持っていったら、はじめはぬか床のようになり、それが腐ったもののようになり、日によって雨を含んで膨らんだり、発酵して3倍ぐらいに肥大化していました。最終的には、真っ黒になりました。やぶれた袋からでてきた黒いかすは乾燥していて、それほどにおいもありませんでした。それをこぼれから発芽したミニトマトの小さな芽にあげたところ、大きく育って花が咲いています。
現在、油粕はつぼにいれて、木の蓋をしてあります。ちょうどまだ発酵していた頃の油粕の袋を父が移動させたところ、破れた穴からでてきた発酵した油粕が恐ろしく臭くて、ほんの少しでも服や手につくと洗っても落ちないということがありました。これは武器じゃないかというような強烈な臭気です。そのころは肥料の効果も強くて、近くの草が2倍3倍とお化けのように成長していました。
黒くなった現在の状態の油粕にも、破れた袋からアメリカミズアブの幼虫とおもわれる、ウジのようなおぞましい生物がいます。つぼに入れて、上から雑草をいれています。家庭のコンポストにもこの幼虫が住み着いていますが、むしった草をたくさん入れてかぶせるようにすると、この虫の活動が弱まって臭いも弱くなったので、このつぼの中にも入れて試しています。草も肥料になるので、ちょうどよさそうです。木で蓋もしたので、新しくタマゴを産み付けられる心配もなくなりました。周りに黒いアメリカミズアブの成虫も来ていないので、入れ替えてよかったようです。つぼに入れ替えたので、油粕を取り出すのが楽になりました。蓋を開けるのは勇気が要りますが、おいしい野菜を作るためには「努力」なのだそうですから頑張らなくてはいけません。コンポストの堆肥や、木の葉や野菜の堆肥なども試しましたが、発酵した油粕の方が少量で効果があります。母が睡蓮を育てていたつぼを貸してくれて、素敵なつぼに油粕を入れることができました。漬物用のプラスチックの容器なども考えましたが、この塗装が塗られたつぼが一番素敵で使いやすいです。新しく購入すると安いつぼでも高価なので、家にあるもので、ちょうどいいものが見つかってとてもラッキーです。このつぼを使うと、この大変な作業も頑張れそうです。
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